秋の院展(再興第109回院展)
9月1日~16日、上野・東京都美術館で開催
9月も半ばになろうとするのに外はまだ入道雲広がる真夏の青空。そんな中上野の都美術館に高24期生の高橋天山氏の作品も展示されている秋の院展に行ってみました。
館内は一気に汗が引くうれしい冷気に満たされていました。部屋を進むと奥の方から
何やらオレンジ色?茜色?の空気が流れてくるような気配。高橋さんの作品「熊野」の全体からあふれ出る美しい色に引き寄せられました。能の「熊野」の主人公の女性の衣装から背景まで美しい色に統一されて引き込まれるようです。女性の母を思う気持ちと、花見の最中に急な嵐で散ってしまった花ビラが幾重にも幾重にも重なるとこんな色になるのだろうと想像するくらい、透き通った色…うまく表現できないですが、茜色のような濃いピンク色のような…は、それは美しい色でした。今でも脳裏に残るような美しい色に出会えて幸せなひと時でした。 (荒井眞理子)
(編集部員撮影)
「熊野(ゆや)」 高橋天山
茜から生まれる赤は、朱、紅、緋などとは違う独特の赤色を呈します。
染色家吉岡政記氏にお願いして、茜から造った赤をふんだんに用いてみました。
不世出の能楽家世阿弥の傑作”熊野”から想を得ております。病身の母を慕い、
望郷の念をおさえ切れない舞姿。世阿弥の詩情をもゆさぶるであろう舞姿を
描き出したいと試みました。
*なお、本作品については、下記URLで動画も紹介をされています。
高橋天山 on X: "熊野 三曲屏風 第109回院展出品大作 縦2メートル横3メートル、世阿弥の名曲をテーマにしました。9月1日から上野東京都美術館で開催されます。どうぞご高覧下さい。 #院展 #世阿弥 #熊野 #大和絵 #平家物語 #能 #japanesetraditional ART https://t.co/zwcxKSF2DG" / X
*高橋天山さんについては、下記URLで紹介をされています。
同人詳細|公益財団法人 日本美術院 (nihonbijutsuin.or.jp)