いずみ会は、旧都立大泉中学校・都立大泉高等学校の卒業生で構成される同窓会組織です

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本年1月から連載が始まった高校25期比田井(近藤)愼爾さんの「半生記」、今回は第6回です。今回は、老朽化した鉄道駅舎を鉄道会社、地元、高校生の協力によって改修されたことで、信州の高校生と地域との間で絆が深まり「ゆい」の一員となっていることが紹介されています。

 

寄稿 大泉の学窓から信州へ その6 

       ”車掌車アートでつながる地域と学校・若者の巻”

               高校25期 比田井(近藤)愼爾

 

2018年、私が軽井沢の高校に勤務中のことでした。

小諸東地区PTA(軽井沢駅から小諸方面へ4番目の駅近辺)さんとの会合に出席し、しなの鉄道平原駅(資料L)が話題になりました。当時この無人駅の駅舎は旧国鉄時代の車掌車。駅舎は国鉄時代から設置されていたそうです。ところが、どしゃぶり雨となると雨漏りが激しく、高校生は駅舎の中で傘を頼りに保護者の自家用車を待ちました。これは気の毒との声があがり、私はメモをとり職場へ報告。すると困りごとは学校長を通してしなの鉄道に届いた模様です。というのは、鉄道会社さんがこの車掌車の補修を始めてくださったからです。地域と協力するしなの鉄道は駅舎補修にあたり、2018年にデザインを募集、そこである高校生の作品が選ばれ1回目の補修、202311月には2回目補修として佐久平総合技術高校創造実践科デザイン系列生徒による応募が選ばれ、工業デザインの学びを生かし新駅舎の美化(下記写真参照)をすすめ、補修は完了。

これは工業を学ぶ生徒の社会貢献ですが、工業のある所に農業や人の営みがあります。地域と鉄道会社の合作で無人駅におしゃれな駅舎ができたな、と私はほのぼの気分。地域と学校で、若者が故郷信州と心が通ったかのように感じたからです。本連載・その3~5で地域の祭り、クラインガルテン、など若者たちが地域で育つ姿を語って来ました、今回は車掌車アートを紹介し、信州が育てる若者文化を紹介しました。

調べるとしなの鉄道平原駅舎と同じような駅舎は全国に何カ所かあるそうです。是非、全国で駅舎アートを育てていただきたいものです。駅舎がすでに充実している街であれば、駅舎を美術館にしていただけないものでしょうか?例えば、身近に絵を描く若者がいたら、あなたはその子とどんな対話をしてみますか?

以下は絵が好きな高校生と私の対話です。

 

私  : 君の絵はどこか、浮世絵を思わせるね

高校生: 浮世絵って何?

私  : 例えば新しい千円札の裏、北斎という浮世絵師の作品だよ

高校生: お~あれか、あれ、浮世絵って言うの?

私  : そう、だから君の絵は北斎を意識したのかと思ったよ

高校生: 浮世絵じゃないよ

私  : どこの国の絵師かなあ

高校生: 進撃の巨人だよ(資料M

私  : それ、アニメだったかな

高校生: 進撃の巨人を知らないの?

私  : 知らないけど聞いたことはあるよ、教えてくれる?

高校生: これだよ(私の教師用タブレットを操作して見せる)

私  : ほう~この絵、どこか浮世絵だなあ 

 

…どうでしょう、あなたの街にもこの高校生のような絵画をたしなむ若者がいませんか?どうか、そんな子たちを育ててください。若者は「ゆい」の一員となり、あなたの地域を担う人に育つのではないか、私はそう期待しています。 

 

資料L: しなの鉄道平原駅1番線(旧上り線)から小諸方面を望む

     

    改修前の駅舎 2023年 秋 撮影    改修後の外観 2024年春 撮影

*佐久平総合技術高校創造実践科 工業デザインコース生徒作

しなの鉄道 平原駅

     所在地 長野県小諸市大字平原661

     北陸新幹線開通に伴い第三セクター「しなの鉄道」に移管されたローカル線

長野駅を挟み、軽井沢駅、妙高高原駅間を運行している

     平原駅は、軽井沢から4番目、小諸駅の一つ手前の駅

       平原駅沿線情報しなの鉄道株式会社

資料M:進撃の巨人 

     圧倒的な力を持つ巨人とそれに抗う人間たちとの戦いを描いた、諌山創による漫画、更に、それを原作としたアニメ・小説・映画等がある。

 


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